TAR/ター Blu-ray+DVD

楽天ブックスから
『TAR/ター Blu-ray+DVD』(GNXF-2867)
Blu-ray+DVDが到着。

映画館で観ようと思い、レイトショーのチケットを購入したが、結局睡魔に勝てずに行けず。Blu-rayの発売を待って鑑賞。

アメリカ5大オーケストラ(ニューヨーク・フィルハーモニック、ボストン交響楽団、シカゴ交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団、クリーブランド管弦楽団)で指揮者を務めた後、ベルリン・フィルの首席指揮者に就任。作曲家としても活躍し、EGOT(エミー賞 Emmy、グラミー賞 Grammy、アカデミー賞 Oscar 、トニー賞 Tony)のグランドスラムも達成し、輝かしいキャリアを築いたリディア・ター(実世界では絶対にありえない)。
LGBT、権威主義者、独善的な彼女が転落していく物語だが、指揮を指導する有色人種学生への威圧的な態度、自分より年長の副指揮者の解任、アシスタントの就職妨害、女性チェリストの引き立て(ザビーネ・マイヤー事件を下敷きにしている?)、オーケストラの女性団員優遇など、ありそうなことばかりで、見ていて本当に暗い気分になります。
ポリティカル・コレクトネス、アファーマティブ・アクションも両刃の剣であり、優遇された者も平穏ではない(私はターが女性だからこそ、指揮者、作曲者として成功したと思う)。
出過ぎた杭は引っこ抜かれるに倣い、ターはベルリン・フィルを解任され、東南アジアに都落ちしていく。
セクハラで解任された指揮者として、作中に名前の出たジェイムズ・レヴァイン、シャルル・デュトワの後を追う結果になってしまった。
タ―がベルリン・フィルとライヴ録音(しかもグラモフォン)を計画していたのが、マーラー交響曲第5番というのも暗示的(映画『ヴェニスに死す』を連想してしまう)。
TAR.jpg

この記事へのコメント